チャンネルを合わせる。
さっきまで、確かに“みんなで歌っていた”。
でも――
ここには、同じ方向を向く声がない。
それでも、音は鳴っている。
この場所、どんなところ?
ここは、ひとつのステージに立つ場所じゃない。
同じ衣装も、同じ振りもない。
集まってはいる。けれど、
同じ“形”にはならない場所。
それぞれが、それぞれのまま立っている。
ここで何が起きたのか
“スクールアイドル”は、グループであることが前提だった。
9人で一つ。
欠ければ成立しない。
その常識が、ここで崩れた。
一人でも、アイドルは成立する。
競わない。
揃えない。
合わせない。
それでも、ステージは続いていく。
なぜこの場所が特別なのか
ここは、“答え”を出さなかった場所だ。
勝つことでもない。
続けることでもない。
「どう在るか」を選び続ける場所。
同じ夢を持たなくてもいい。
同じゴールに立たなくてもいい。
それでも、この場所にいる意味は消えない。
この場所に立つということ
一緒にいなくてもいい。
だけど、完全に一人でもない。
距離はバラバラ。
向いている方向も違う。
それでも、
同じ場所に“存在している”
そのことだけが、つながりになる。
■ 締め
音は、揃わなかった。
でも、不思議と濁らない。
バラバラのまま、成立している。
次にどこへ向かうかは、決まっていない。

Ta-Tsu
――それでも、この場所は続いていく。



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